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シリコン–ガラスハイブリッドレンズを用いた同軸撮影

silicon–glass hybrid lens

可視光と長波長赤外(LWIR)を集光するシリコン-ガラスハイブリッドレンズを用いて、同じ視点から同じ画角の色画像と温度画像を撮影できることを示した。このレンズはシリコンの3次元加工プロセスを用いて作製した。このハイブリッドレンズを用いて色画像と温度画像を撮影した。色画像と温度画像の変位量の差の最大値と平均値はそれぞれ0.42 mmと0.26 mmであった。また、角度の差の最大値と平均値はそれぞれ2.0°と1.2°であった。

Publications

  1. Tomoyuki Takahata, Kiyoshi Matsumoto, and Isao Shimoyama, “A silicon-glass hybrid lens for simultaneous color-and-thermal imaging,” The 17th International Conference on Solid-State Sensors, Actuators and Microsystems (Transducers 2013 & Eurosensors XXVII), pp. 1408-1411, Barcelona, Spain, 16–20 June, 2013. [Proceedings]
coaxial imaging system

人間の生活を支援するサービスロボットにとって人間を検知することは最も重要な機能の一つである。温度画像は人体検知に役立つ。温度画像は色画像に比べて画素数が少ないため、色画像と組み合わせることでより有用となる。本論文では、温度画像と色画像を同時に得るための小型の光学系を提案する。長波長赤外と可視光を集光できるシリコン-ガラスハイブリッドレンズを使用することがポイントである。集光された光はシリコン板で分割され、温度画像と色画像がそれぞれサーマルイメージャとカラーイメージャで撮影される。レンズの位置によって、温度画像と色画像の対応関係を保ったままで焦点面を調整できることを実験的に明らかにした。

Publications

  1. 高畑智之, 松本潔, 下山勲, “シリコン–ガラスハイブリッドレンズを用いた温度画像・色画像同軸撮影システム,” 第33回日本ロボット学会学術講演会 (RSJ2015), 1H1-01, 2015.
  2. 高畑智之, 松本潔, 下山勲, “同一視点から温度画像と色画像を撮影できる同軸撮影システム,” 第22回画像センシングシンポジウム (SSII2016), 2016.
  3. Tomoyuki Takahata, Kiyoshi Matsumoto, and Isao Shimoyama, “Compact coaxial thermal and color imaging system with silicon-glass hybrid lens,” IEEE International Conference on Robotics and Automation (ICRA2016), Stockholm, Sweden, 16–21 May, 2016. [Proceedings]
  4. 高畑智之, 下山勲, “可視光・遠赤外光同軸撮像システムの実装と評価,” 第35回日本ロボット学会学術講演会, 3C3-01, 2017.
splashproof coaxial imaging system

本研究では、色画像と温度画像を同一の視野で撮影する可視・長波長赤外同軸システムについて、防滴性能をもたせる実装方法を示した。同軸撮影システムについてはこれまでに防塵性を考慮したシステムの研究の例があったが、防滴性能がなく雨天などで水滴がかかるとシステムが壊れる可能性があった。

Publications

  1. 高畑智之, 下山勲, “防滴性のある可視光・遠赤外光同軸撮影システム,” 第36回日本ロボット学会学術講演会, 3J3-04, 2018.
coaxiality evaluation

人間を支援するサービスロボットやパーソナルモビリティロボットなどでは、人間の存在を検出したり、周囲の物体を認識したりなどのタスクに赤外線画像が有用である。一般に、赤外線イメージャの画素数はカラーイメージャの画素数よりも少ないため、2つのセンサで撮影された画像内の点の対応関係が既知であると仮定すれば、赤外線画像はカラー画像と組み合わせることでより有用になる。従来の研究では、熱画像とカラー画像を同じ視点から同じ光軸で同時に撮影できる、いくつかのタイプの同軸画像システムが報告されている。その中で、同心円状のシリコンとガラスのハイブリッドレンズを用いた同軸イメージングシステムが考案された。このシステムでは、赤外光と可視光の長波長をハイブリッドレンズで集光し、集光された光はシリコンプレートで分割され、熱画像とカラー画像をそれぞれ赤外線カメラとカラーイメージャーで撮影される。しかし、ハイブリッドレンズの同軸性の評価は示されていなかった。本研究では、ハイブリッドレンズを組み込んだ小型同軸撮像システムの実現と同軸性評価を提案する。熱画像とカラー画像の固有パラメータと外部パラメータを推定し、熱画像とカラー画像間の2次元マッピングを行うことにより、システムの同軸性を実験的に実証した。

Publications

  1. Tomoyuki Takahata, “Coaxiality evaluation of coaxial imaging system with concentric silicon–glass hybrid lens for thermal and color imaging,” Sensors, vol. 20, no. 20, article no. 5753 (19 pages), 2020. [Paper] (Published on 10 October 2020)